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夜のこどもたちは夢をみる

子どもに眠りを 大人に愛を

三途の河原 素描

 

賽の河原で児どもが何かしている

近づけば石を積んでいる

高く積んだものはいない

こんなにもたくさんの児がいるのに

ひとつ、ふたつ、多くていつつも積めば高い方

どうしたことか

児どもは一心に石を積む

 

鬼が来た

 

児どもは罪を犯した と 鬼が声高に責めたてる

親より先に死んだのだ

貴様の罪は赦されぬ

親に殺された児はことにゆるされぬ

児を殺した母の想いをおもえば おれは涙がとまらぬ と

 

鬼が叫ぶ

 

赦しを乞え

詫びろ

詫びろ

殺された罪をおもいしれ

 

声を嗄らして児は詫びる

 

おかあさんごめんなさい

私を殺させて

ぼくを殺させて

おかあさん

おかあさん

どんなに悲しかったでしょう

ごめんなさいおかあさん

ごめんなさいおかあさん

 

「赦すか馬鹿者」

 

鬼が終にものすごい叫びをあげる

 

怒った鬼

児の積んだ石を蹴り散らす

児のちいさな掌を踏み潰す

血が吹き飛んで ちっぽけな拳はあっけなく砕け散る

 

児は泣きもせず

ああおかあさんあなたはもっと痛かったろうにと叫ぶ

 

児はもう百年、石を暗闇で積んでいる

鬼が一瞬にして蹴散らして

児は永劫

罪を許されぬ

 

誰か殺して遣れ

 

もうあんまり可哀相じゃないか

誰かあれを

もう人の姿をしていないあの児を

 

誰か殺して遣れ。